🎯 パチスロの目押し練習ゲーム「目押しチャレンジ」を作りました|ビタ押し判定・停止制御の再現と、出玉シミュレーションで分かったこと

ブラウザで遊べるパチスロの目押し練習ゲーム「目押しチャレンジ」を GAME コーナーに追加しました。
ビタ押しの練習をしたいけれど、実機の前で練習するとお金がかかる。かといってスマホの目押しアプリは「押したら止まるだけ」で、すべりも引き込みもない。そこで、押したタイミングのずれをミリ秒で見られる練習と、実機に近い停止制御で遊べる遊技を 1 つにまとめました。
この記事では、ゲームの中身と、作る途中で回した出玉シミュレーションで分かったことを紹介します。
1. 2 つのモード
練習モード:ずれをミリ秒で表示
狙う図柄を選んで、中段に止めるだけのモードです。止めるたびに、ビタで止まる幅(約 35.7ms)の真ん中から何ミリ秒ずれたかを表示します。早押しはマイナス、遅押しはプラスです。
- リールは 1 分 80 回転・21 コマ(1 コマ約 35.7ms)
- 押した時刻は画面の描画ではなく、ボタン・キーを押した瞬間の時刻で判定
- 画面と入力の遅れは「遅延補正」で調整でき、光った瞬間に押すだけで自動で測れます
- PC はキーボード(スペースでレバー、Z・X・C で停止)でも遊べます
遊技モード:すべり・引き込み・リーチ目まで再現
内部で役を抽選して、成立した役を引き込み、成立していない役は蹴飛ばす、ふつうのパチスロとして遊べるモードです。
- 停止制御:押した位置から最大 4 コマすべって止まる(規則上の上限 190ms 以内)
- リーチ目:ボーナス成立中にしか出ない形を約 80 種類
- ボーナス:BIG(2 種類)と REG。BIG 中は左リールのビタ押しで枚数調整、REG 中は 1 枚役ハズシ
- RT:BIG の後の「花火チャレンジ」と「花火GAME」。逆押しナビでリプレイハズシをすると RT を長く遊べます
- 設定:1・2・5・6 と、伏せて決まる「?」
- オート:目押しを最低限だけする「最低限」と、小役もビタ押しも全部決める「完全」。高速消化(×2・×20)つき
- データ:役ごとの確率(入賞回数と成立回数)、ボーナス履歴(当選ゲーム数・差枚・RT のゲーム数)
リール配列・役の構成・確率は、パチスロ「スマスロ ハナビ」(アクロス)の公開されている解析情報を参考にしています。図柄の絵と名前はオリジナルで、メーカーとは関係ありません。
2. 停止制御は「先読み」で作った
実機の停止制御はリールごとの停止テーブルで決まっていますが、その表は公開されていません。そこで、残りのリールがどの順番・どの位置で押されても困らない止め方を、その場で先読みして選ぶ方式にしました。
- 押した位置から 0〜4 コマすべらせた 5 通りの止まり方を候補にする
- それぞれについて、残りのリールの押し方を全部試し、「最悪の場合」の結果を比べる
- 最悪の場合がいちばんよい止まり方を選ぶ(同じなら平均、さらに同じならすべりの少ない方)
「成立していない役が揃う」「ボーナスなしでリーチ目の形になる」を禁止として扱うと、取りこぼしのない役(リプレイ・風鈴)はどの押し順でも取りこぼさず、成立していない役は必ず蹴飛ばす制御になります。全部の押し順・押し位置の組み合わせを総当たりで試して、違反が 0 件になることを確かめています。
3. 出玉シミュレーションで分かったこと
抽選と払い出しを実機の解析値に合わせたあと、リールを回さずに成立役だけで数百万〜1000 万ゲームを回すシミュレーションを作り、出玉率を解析値と比べました。その途中で分かったことが、思っていたより面白かったので紹介します。
① 出玉率は「リプレイをどう数えるか」で変わる
最初、シミュレーションの出玉率は高設定ほど解析値より高く出ていました(設定 6 で約 +2%)。小役の確率もボーナスの確率も合っているのに、です。
原因は出玉率の数え方でした。「払い出し ÷ 投入」で数えると、リプレイのゲームは投入 0・払い出し 0 なので計算に入りません。一方、解析値の出玉率はリプレイを「3 枚入れて 3 枚出た」と数えた値でした。リプレイを数えると出玉率は 100% に引き寄せられるので、出玉率が 100% から離れている高設定ほど差が大きくなります。
| 設定 | 払い出し ÷ 投入 | リプレイを 3 枚入れて 3 枚出たと数える | 解析値(完全攻略) |
|---|---|---|---|
| 1 | 100.0% | 100.0% | 100.2% |
| 2 | 102.3% | 101.9% | 102.0% |
| 5 | 106.3% | 105.3% | 104.6% |
| 6 | 109.6% | 108.0% | 108.0% |
1000 万ゲーム回しても出玉率は ±0.3〜0.4% ほどぶれるので、リプレイを数える方なら解析値とほぼ一致していると言えます。出玉率を比べるときは、数え方をそろえないと意味がない、というのが一番の学びでした。
② 氷の取りこぼし 10% で出玉率が約 1% 下がる
氷(15 枚役)は約 1/46 で成立します。これを取りこぼすと、10% 取りこぼすだけで出玉率が約 1% 下がります。BIG 中のビタ押しや RT のリプレイハズシを毎回決めても、氷を 4 回に 1 回こぼすと、その得はほぼ消えてしまいます。
| 設定 | 技術介入なし | 氷 75% | 氷 90% | 完全攻略 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 97.0% | 97.2% | 98.6% | 100.0% |
| 2 | 98.6% | 98.8% | 100.1% | 101.9% |
| 5 | 101.4% | 101.8% | 103.5% | 105.3% |
| 6 | 104.6% | 104.9% | 106.8% | 108.0% |
※「技術介入なし」は小役を全部取り、BIG の枚数調整・REG の 1 枚役ハズシ・RT のリプレイハズシをしない打ち方。「氷 75%・90%」は、ビタ押しと 1 枚役ハズシは必ず成功、RT のリプレイハズシは 75% 成功とした場合。どれもリプレイを数える出玉率で、1000 万ゲームずつ。
派手な技術介入より、毎ゲームの小役をこぼさないことの方がずっと効くことが数字ではっきり見えます。
③ リプレイハズシは「残り 8G から JAC IN を狙う」が最も得
BIG 後の花火チャレンジ(最大 20G)では、移行リプレイをハズすと花火チャレンジを続けられ、揃えると花火GAME(20G)に入ります。いつハズすのをやめて揃えにいくのがいいかを、RT 1 回の期待値で計算しました(花火チャレンジ約 0.2 枚/G、花火GAME 約 0.4 枚/G、移行リプレイ 1/3.5 として計算)。
| JAC IN を狙い始める位置 | RT 1 回の期待値 |
|---|---|
| 残り 9G から | 10.48 枚 |
| 残り 8G から | 10.51 枚 |
| 残り 7G から | 10.48 枚 |
| 残り 6G から | 10.35 枚 |
早く揃えすぎると花火チャレンジの分を損し、遅すぎると JAC IN を引けないまま終わる危険が増えます。最適は「残り 8G から狙う」ですが、差は RT 1 回あたり 0.2 枚以下で、出玉率にはほとんど効きません。
④ ボーナスの察知が 1G 遅れると約 −0.2%
ボーナスを持ち越している間は、次のボーナスを引けません。ボーナス 1 回の平均の価値(RT を含めて約 180 枚)をもとにすると、察知が 1G 遅れるごとにボーナス 1 回あたり約 1 枚、出玉率で約 0.2% の損になります。氷ほどではありませんが、告知ランプやリーチ目に早く気づくことにも、ちゃんと意味があります。
4. おわりに
「ビタ押しの練習ができればいい」くらいの気持ちで作り始めたのですが、停止制御を作り、抽選を合わせ、出玉を測っていくうちに、パチスロの数字の作り方そのものが見えてきて、作っていてとても楽しいゲームになりました。
ずれをミリ秒で見ながらのビタ押し練習にも、オートの超高速消化で設定ごとの挙動を眺めるのにも使えます。ぜひ遊んでみてください。
※リール配列・役の構成・確率は、パチスロ「スマスロ ハナビ」(アクロス)の公開されている解析情報を参考にしています。図柄の絵と名前はオリジナルで、メーカーとは関係ありません。停止制御は先読みによる独自の作りで、実機の制御を完全に再現するものではありません。